●千種ワークショップ雑感
講師は、にへいたかひろさん(よこしまブロッコリー)、矢野靖人さん(shelf)、鳴海康平さん(第七劇場)、そして片山雄一(トライフル)の4名。
発表会会場はナンジャーレさん。
『ロミオとジュリエット』のバルコニーのシーンを、それぞれ1チーム15分位の作品にして発表してしまうという企画。
WSやって最後に発表する、というのはよくあるんですが、この企画のすごいところは、そのWS時間がそれぞれ「2時間半×2回=5時間」しかないということ。
演出家はもちろん、参加者も大変。
私は片山の2日目の現場から顔を出し、どんな方々がいらっしゃるのかをふむふむと確認。
そこにはなんと
ロミオ×2人
ジュリエット×3人
がいらっしゃいました。
他の3チームはというと、
・にへいチーム
ロミオ×2人
ジュリエット×1人
・矢野チーム
ロミオ×3人
ジュリエット×5人
(だったよね矢野さん?)
・鳴海チーム
ロミオ×0人
ジュリエット×3人
それぞれこんな斬新なメンバー。よそのチームが一体どんなやり方を出してくるのか、まるで想像つきません。
ジュリエットが恋する気持ちを、
「あなたはどうしてロミオ?」
と吐き出しているところをバルコニーでロミオに聞かれてしまう、ロマンティックなシーンなわけですが。
以下はそれぞれチームの雑感。
矢野チーム。
リーディング形式で、キャスト6人が椅子に座って2人が両脇で立ち全員正面を向いた状態での勝負。
たった2回の稽古しかやってない人達が矢野さんのやりたいことをやるとほんのりshelfになっていた。
すごい。
演出家の言葉を借りて言えば
「塁に出た」
感じです。
あくまで敢えてシンプルに、オーソドックスに戯曲に取り組んでいらっしゃいました。
鳴海チーム。
ロミオがいない。
3人の女性の誰かがロミオを演じたりもせず、どうやらみんながジュリエットらしい。
都会の雑踏のBGM。
白黒ベースの服を着た3人が、舞台の下手、中心、上手の椅子に離れて座っている。
口々になにか呟いている。
「モンタギューって何?手でも足でも顔でもない」
「月」
「浮気」
「月に誓っちゃダメ」
なんだこれは!?心地いいぞ。
本編の台詞構成にとらわれず、ジュリエットたちはポツリポツリと戯曲から選んできたいくつかのキーワードを口々に呟いている。
かと思うと、衝動的に台詞を叫ぶ。立ち上がり、触れたり。逃げたり。
途端に切ない気持ちが芽生えて、ロミオ不在が逆にぐっとくる。
これもまた、たった2回の稽古でちゃんと第七劇場を感じました。不思議ー。(いや不思議じゃないんだろうけど)
片山チーム。
まず開演前に、中央に置いてあるちゃぶ台を
「これはバルコニーです」
と言ってオペブースに消える片山。どよっとする場内。
一人の女性がちゃぶ台の上でヤンキー座りをしながら手にはスリッパ、ちゃぶ台の下に正座している男性を問いただすような目で睨み付け、なんか怒ってる。
持っていたスリッパを男性の頭に勢いよく振り下ろすと、男性が何かに堪えながら口を開きます。
「傷の痛みを知らぬ奴だけが、ひとの傷あとを見てあざ笑う」
会場爆笑。
皆が一瞬で何かを理解された様子。
こいつなんかやったぞ、と。
そのまま終始、あの名台詞を怒りに乗せて吐きつづけるジュリエット。
「愛して下さる?本当に!?」
ものすごい怒ってる。
そんな感じで、ロミオもジュリエットも迎えることの出来なかった倦怠期が、本当の恋愛にはあるんだよということを思い出させ、本来の甘い愛のシーンをぶち壊す。
ひどい(笑)でも面白い!!
にへいチーム。
老女のジュリエット。
それを口説きにかかるロマンスグレーのロミオと若くてかわいいロミオの二人。何故(笑)
最後には男心をくすぐる熟女の手管に、会場が沸きに沸く。
もう素晴らしくやりたい放題(笑)。
チームとチームの間は、各演出家達のざっくばらんなフレンドリートークでの場つなぎ(笑)とも取れる解説が行われ、話の続きが気になるところで上演の準備が整ったりすると強制的に切られてみたり(笑)。
かなり手作り感満載の贅沢な時間を過ごせたと思います。
演目が終わると千種文化小劇場の館長代理、筒井さんも一緒に舞台へ。そして2月末の千種セレクションへの意気込みなどを演出家達が話し、楽しく幕を閉じました。
芝居ってこうやって作るんだということがすごく伝わった企画だったと思います。
この演出家たちの作るお芝居、2週間で4作品観ることが出来てしまいます。
是非是非皆さん「千種セレクション」来て下さいね〜。