思えば5月10日。
俺が下北沢でソロアクトの東京デビューの日。
彼等は俺の後に出演した人達だ。
事実上その日のイベントのメインアクトであったし、主催者にNUMBの後に出演して直接対決したいと直訴したほど、圧倒的な激しいライブパフォーマンスをしている人達だ。 客のダイブもモッシュも、手をぐるぐる回しキックパンチが乱れ飛び乱闘さながらになる。
東京のニュースクールハードコアシーンを引っ張っている強者でもある。
周りにクルーと呼ばれる、コワモテの集団を従えている。
リハーサルの時から、会場の空気をNUMB一色に変えていた。
俺もNUMBがいい意味でどんな事をしているのかぐらいは知っていた。
そしてイベント本番が始まり予定通り出演していたハードコアバンドがフロアを動き回り、超満員の客は酒も入ってかなり盛り上がっていた。
イベントはステージ上に客がいて、下のフロアでバンドが演奏する。
いつもと逆のオールエリアという、方式だった。
いよいよ俺の番が近付く、俺はチラシ(フライヤー)に載っていないシークレット出演で、バンドとバンドの転換時間での飛び入り出演だった。
俺が出るのを知っているのは一部の関係者と入り口のホワイトボードの告知のみ。
そして、スタンバイの為に衣装に着替えようとするが、楽屋は次の出番を待つ荒くれ者のハードコアの面々が占拠している。
俺は別に慣れているが、身体中刺青入った見た目怖そうな人にトラブルにもなるし、そこどけとも言えず、(NUMBなど当の人達は飛び入りが自分達の出番前に出て30分出番を押すというのを直前に知らされたばかりだった)
ウチの番頭の戸枝と隣の店のエレベターわきの狭いスペースでセッティングした。
主催者のワカが客に俺のことをアナウンスしてくれ、客がフロアーに降りてくれて見る体制が出来ていた。
だが、俺がステージに出るのは暗転になって真っ暗にからで、それにはステージ入り口からつながっている楽屋の電気も暗くしなければいけない。
演劇の世界では本番前は静かにするのも楽屋の電気を消すのも常識だが、ライブハウスではそこら辺はあんまりしっかりしていない。
さて、俺は出番直前楽屋にいた、NUMBのクルーに楽屋の電気を暗くしてくれと言わなければいけない。
俺は今までやって来た事を無駄にしたくなかったので、リーダーと思える漢に丁寧に説明して頼んだ。
以外にもリーダーの男は丁寧に敬語で受け答えをして、了解してくれた。
すぐさまクルーの若手を呼びつけ、その役目を指示した。
おかげで暗転の心配はなくなった。
また当日のライブの様子もここで書くが、俺は次の日の午後一時から横浜の桜木町でスタジオソルト「SOMEDAY」の稽古があるので、早めに帰ろうとした。
俺のあと、DJをやってたのはナンバーガールやブラットサースティブッチャーズやハイスタンダードのメンバーやWARPの大野さんとかで、普段あまり絡みのない人達だったからDJとかも見てみたかった。
が俺は戸枝を従えて盛り上がりをしりめに会場から外に出ようとした。
(別に当日来ていた業界の人とか有力者などの誰とも知り合わなくても良かったし、もちろん名刺もないし)
帰り際NUMBのリーダーに階段で会い、先程の礼を言った。
俺は関東初陣を見届けに駆け付けて来てくれた仲間とロビーで話していたから、次のNUMBは見れなかった。
それに俺のソロアクトとNUMBのライブを見た、今回俺がリハをやった稽古場を貸してくれたり、密かにサポートしてくれた劇団青年団とあなんじゅぱすのひらたよーこさん(気になって雨の中忙しいのに駆け付けてくれた)。がライブ見た後異様に興奮していた。
だから俺も協力してもらったし生で見てみたくなり、挨拶がてら次のライブ予定を聞いてみた。
そしたら??
何と!!!
そのリーダーから一言………。
「僕ボーカルのSENTAっていいます。谷本さんの事は前から知ってますよ。」
「俺は名前聞いた瞬間SENTAってその筋ではかなり名の通った人であるのは俺でも知っていた。それがあなただったんだ……と思った」
「あなたが10数年前BLIND JUSTICE(envyの全身バンド)のライブで最前列で盛り上がって暴れていた時から見ていますよ」。
僕はあの時のシーンの状態を今も守っていこうと思い、ずっと弧軍奮闘しながらやってきました。
いわばあなたは憧れの先輩です。
一緒にやれて嬉しかったです。
ぜひ次のライブを見に下さい。
俺もバンドしている時から演劇界に入っても人には言わないで、仲間達と新しいハードコアシーンを作ろうと静岡や東京で頑張って いた時があった。
なんかこんな形で、嬉しい出会いがあるとは!!
しばし話に花が咲き、俺も今までこの生き方でやって来て良かったと思ったし、忘れかけていた過去にもちゃんと意味があったんだと思い、かなりやる気が出てきた。
お互いスタイルは違えど、久しぶりに盟友が出来たように思えた。
話してみたがヤツは本物だった。
これからNUMBのライブに行くのが楽しみだ。
それから俺の古くからの地元の先輩で敬愛する。
静岡県磐田市でZONEというハードコアパンクバンドをしているサワさんいる。
俺が昔ローディをしていた同じく静岡市清水区のSO WHATに新しくベースとして参加するらしい。
昨日それを聞いてかなり上がった。
もう40歳前後の先輩がまだまだやる気であるし、サワさんは本当に純粋な気持ちで参加したのが目に見えて分かったし、
SO WHAT.ジャングルーブのクリタさんと8000のオオタさんやブルースビンボーズのアキヤマさん、そしてZONEサワさんは、
俺がこの渡世では未熟者で駆け出しのころ、かなり厳しく教育してもらった恩人だ。
人間的にも男としても尊敬し、俺が唯一頭の上がらない先輩達だ。
尊敬し大好きなSO WHATとZONEの今後には期待せずにいられない。
(先輩とはいまだに交流がある)
ZONEは日本を代表するインディーズ(パンク)レーベルHG FACTから過去の音源を集めたCDのコンプリート盤が出るらしい。
俺は気持ちが弱った時。
ZONE(夏祭り歌う解散したガールスバンドではない)のライブや曲に何度助けられた事か。
俺が本番に出る前の劇場の楽屋の鏡の横に、必ずZONE(ゾーン)の「スタンス」と言う曲の歌詞をいつも張っていた。
俺が15歳で初めて極真空手の静岡支部大石道場に入門した当時、親身になって俺達の指導や面倒を見てくれた、長澤先輩は。
(もっとも気さくな人柄だった)
(今でも連絡は取っている)
10年前に0から静岡市の安部川、みずほ、本通りなどの道場を作り、
今ではその地区の責任者である分支部長になり、
チャンピオンクラスのいい選手をいくにんも育てているんだ。
(0から人を集めて育てた)
先輩は世間ではもう年寄り扱いされる40歳をすぎているが…………
やっぱりカッコいい先輩にはいくつになってもかなわないなぁ!!
俺もまだまた先輩の教えを忘れず、これからも見習ってもいきたいと思った。
